感謝報恩の気持ちが幸福感を高め人生を豊かにしてくれる
感謝報恩と聞くと、古臭い言葉であり、堅苦しいイメージがあるかもしれません。
この記事では、古臭い言葉に感じるかもしれないけれども、感謝報恩は幸福な人生には欠かせないものであることについてまとめてみました。
目次
感謝報恩とは
感謝報恩とは、与えられている環境に感謝し、その恩に報いていこうと思う気持ちです。
感謝することの効果はよく知られていて、「ありがとう」の言葉を口癖にされている人も多く見受けられ、感謝の大切さはよく語られていますが、報恩という言葉は今では日常生活ではあまり使われることもないかもしれません。
感謝報恩という言葉は、経営の神様と言われていた松下幸之助さんが創業されたパナソニックの守るべき5つの精神のなかの1つとしてあげられています。
そのため、経営者のなかでは好んで使われている言葉でもありますが、言葉のイメージとしては、上下関係や立場に縛られているような感じがしないわけでもありません。
しかし、だからといって報恩の大切さが失われるわけではなく、感謝は報恩によって効果をあげているのは確かです。
感謝と報恩は切り離せない
感謝と報恩は切り離せるものではありません。
ありがたいという思いがあるから、その恩に報いたいと思えるのであって、感謝なき報恩には恩というものはなく、単なる貸し借りの返済になってしまいます。
逆に、恩に報いたいという気持ちがないところに感謝の気持ちもありません。
感謝の一番のもとは、人間は自分1人の力では生きていけないというところにあります。
多くの人々の働きによって社会が成り立っているから生活ができるだけでなく、何らかの力によって生かされているから人生を楽しむことがあたりまえのようにできているのです。
感謝報恩の気持ちがなくても、生かされているかもしれませんが、そこにある喜びとは、出来事に反応するだけの味気ないものになってしまうでしょう。
感謝の効果は報恩にある
感謝の効果は
- 幸福感が高まる
- ポジティブに考えられるようになる。
- 対人関係がよくなる。
- 体調が良くなる。
などがあげられています。
感謝の気持ちが深まるほどに幸福感も高まると言われていますが、感謝の気持ちを深めるためには、報恩が必要になってくるのです。
人からして頂いた行為に「ありがたさ」を感じるのは、感謝の基本ではありますが、ペットでもエサを与えられれば喜ぶように、何かをして頂いたからありがたいというのは、感謝の初歩的なものであるといえるでしょう。
頂いた行為に反応するだけの感謝であれば、何ももらえないときには不平不満となる可能性もあります。
何ももらえなくても感謝できる人は、あたりまえの日常生活に感謝できている人であり、感謝が深まった姿でもあるでしょう。
何かをして頂いて反応するという「受け身の感謝」から、あたりまえの生活のなかに感謝できることを見出すには、「積極的な感謝」の姿勢が必要になり、積極的な感謝が感謝の気持ちを深めてくれるのです。
感謝報恩とは積極的感謝である
積極的な感謝が感謝の気持ちを深めてくれるところから、私は、感謝報恩を積極的感謝と定義するのがよいのではないかと思っています。
実際に感謝できている人は、受け身としての感謝ではなく、積極的に感謝しているところがあるからです。
直接受けた働きかけだけでなく、間接的に受けている働きかけに対しても、感謝の念をもっています。
例えば、公共の施設の清掃をしている人に対しても、気持ちよく使えるありがたさを感謝の言葉としてかけたり、多くの人がサービスを受けて当たり前と思っていることに対しても、感謝の気持ちを伝える習慣を持っているのです。
また、積極的感謝であるので無理して行うものではなく、その行動に喜びが伴っているからしているところがあります。
この積極的に感謝しているところが恩を返す対象を選ばない報恩となり、生かされているありがたさに対する感謝報恩になっているのです。
簡単にできる積極的感謝(報恩)の例
積極的感謝とは、感謝の気持ちを積極的に伝えるだけではありません。
感謝する立場から感謝される立場になることも積極的感謝になります。
人から「ありがとう」と言ってもらえるような行動をしていこうとするのはとても積極的な行為です。
感謝を求めて行うのではなく、喜んでもらえるのが嬉しいから、人の幸せを喜べるからする行動は、報恩の気持ちがなければできるものではありません。
報恩の気持ちと考えているかは別として、何らかのお役に立ちたいと願っているのは確かであり、愛を与える行為でもあるといえるでしょう。
簡単に出来る方法としては、
- 祝福してあげる
- 良いところを認めてあげる
- 励ます
- 寄り添ってあげる
- 共に涙してあげる
- 寄付をする
などがあり、意識していれば少しずつ出来るようになってきます。
感謝報恩の精神
感謝報恩のもとは素直にありがたいと感謝できる気持ちがあります。
- 親の恩
- 社会に対する恩
- 生かされていることに対する恩
恩を受けているのは分かっているが、素直に感謝できない人もいるのではないでしょうか。
松下幸之助さんは、「指導者の条件」のなかで、
感謝の気持ちが薄ければ、不平不満が起こり、自らの心を暗くするばかりでなく、他の人をも傷つけることになるが、感謝報恩の念の強い人には、すべてが喜びとなり、心も明るく、他の人とも調和しやすくなるので、指導者ほど感謝報恩の精神を持たねばならないと述べています。
指導者についていく者は、指導者に立派であって欲しいのです。
それは、親に対しても同じであって、完璧でなくとも、弱点があっても構わないが、精神的態度がどういうものであるかは常に見られています。
感謝報恩が大切だと言いながら普段の生活では不平不満ばかり言っているならば、感謝報恩の精神が育つことはないと知る必要があるでしょう。
感謝報恩は喜びである
松下幸之助さんは、
感謝の心のないところからは、決して幸福は生まれてこないだろう。
また、感謝の心が高まれば高まるほどに、それに正比例して幸福感も高まっていく。
という言葉を残しています。
ローマ帝国の哲学者、セネカの名言には、
わたしは感謝の念を抱いている。
それは、自分にとって得になるからではなく、
わたしに喜びをもたらしてくれるからだ。
というものがあります。
感謝するほどに幸福感が高まってくる。
高まった幸福感はコップから水が溢れだすように自分の外に溢れ出してくる。
ありがたいと思えると人に優しくしたくなるのは、幸福感が溢れだしているからでしょう。
人のお役に立てることに喜びを感じられるようになるのも、感謝報恩の気持ちの表れなのです。
まとめ
感謝報恩の大切さは分かっていても素直に感謝できない時もあるでしょうが、人は誰もが何かのお役に立つことに喜びを感じる心を持っているのは確かです。
何かをして頂いて感謝の言葉を伝えれば、相手も喜んでくれるでしょうが、さらに積極的に感謝(報恩)していくことで幸せな空間は広がっていき、幸福感も高まっていくのです。
感謝報恩が喜びであるのは、実践してみれば分かるでしょう。
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