ジェームズ・アレン「原因と結果の法則」の名言を要約し解説しました
この「原因と結果の法則」という本は、多くの成功哲学・成功法則の元になった考え方であり、アメリカの繁栄の源流になった思想であると言ってよいでしょう。
そのために、この本の中には、深い考えが名言として散りばめられています。
「原因と結果の法則」という名著の中から名言を選び、要約し解説するなどとは、おこがましいことではありますが、私自身がこの内容をどのように理解したらよいのか考えた報告だと言ってもよいでしょう。
しかし、このことは、あなたがこの本の内容を理解するための手助けにもなるとも思っています。
目次
原因と結果の法則はゆるがない
私たちの人生は、ある確かな法則にしたがって創られています。
それが、「原因と結果の法則」といわれるものです。
原因と結果の法則は絶対であり、変えることはできません。
そして、誰に対しても同じように働きかけているというように、正義と公平さによって成り立っています。
普段気にしていなくても、私たちはこのような確かな法則があると心の奥で信じているから、努力のしがいがあり、多くの人も頑張っていけるのではないでしょうか。
人生を投げやりになるのは、不公平感に囚われてしまっている時です。
一定の法則があり、それが秩序あるルールとなっているので私たちは自分の行動の結果に責任をとることもできるのではないでしょうか。
心の中の思いが人格をつくる
私たちは自分が考えているとおりの人生を生きているのです。
私たちは、自分が考えてきた結果として、今の人格をつくってきました。
それは、崇高なものから獣のようなものまで、様々なレベルで表れています。
素晴らしい人格を築くには、正しい思いを選び、めぐらしつづけることが必要であり、それが、正しい行いとなり、よき人格という結果として表れてくるのです。
どのような人格を創るかは、自分の責任として任されているのです。
創造する力
人間は思いの主人であり、人格の制作者であり、環境と運命の設計者である
アレンは、この言葉のなかには、私たちに対する神からの信頼と約束が込められていて、これ以上に私たちを喜ばせる言葉はないと言っています。
私たちには、全てのもの、全宇宙を創造する力はなくても、自分自身を思いのままに創造して創り上げていく力を与えられているという事実が、神から愛されている証拠であり、人間としての自信の根源になるということなのでしょう。
創造する力というと大きなものと考えてしまいますが、過去の考え方の積み重ねの結果として今の考え方相応の現実が現れているというのも創造の力の働きと言えます。
私たちは、自分が考えているとおりの人生を自ら創り上げているのです。
環境はあなたの心を映し出している
私たちの環境を構成しているさまざまな状況は、どれもがみな、それぞれに、私たちの人格を構成する特定の重要な要素のあらわれである。
環境は人格の中の特定な重要な要素を表しているということですが、これは、自分自身がどういう特徴を持った人間であるかを表しているのであり、重要な要素というのは、人格的欠点、いびつなものという「足らざるところを教えてくれている」または、逆に「長所を教えてくれている」と考えることができます。
そこからは、進歩するための最適な環境にいるという解釈が成り立ちます。
それは、人格を向上させるために最適な環境が現れてくるというように考えてもよいでしょう。
足らざるところを克服すると、次の新しい学びの場が現れる。
長所をさらに活かしても、次の新しい学びの場が現れるというならば、私たちは進歩し続けるしか道はなく、思いが全ての始まりであるならば、思いの進歩の方向は人格を向上させるということになります。
現代では人格を向上させるといってもピンとこないかも知れないので、それぞれの立場においてより良い人になるように心がければよいのではないかと思われます。
「原因と結果の法則」のしくみ
良い思いは良い実を結び、悪い思いは悪い実を結びます。
私たちは、自分が望んでいるものというよりも、自分の持っている思いと同種のものを引き寄せます。
口先だけのきれいごとや、単なる夢物語は実を結ぶことはありません。
望んでいる結果を得るには、結果にふさわしい思いを持ち行動する必要があります。
例えば、立場が上だという理由だけで尊敬されたいと望んでいても、威張っているだけでは尊敬などされません。
望みが叶えられないのは、それにふさわしい人格を築く努力をしていないからです。また、努力していないならば、尊敬されたいなどと願わぬことです。
環境が変わらない理由
人々の多くは、環境を改善することには、とても意欲的ですが、自分自身を改善することには、ひどく消極的です。
アレンは環境が変わらない理由はここにあると言っています。
環境が自分自身の思いと行いの結果であるならば、その元になる「原因」を改善することから始めなければなりません。
原因を改善するとは、「真の意味での自己犠牲を払うということであり、別な言葉では、真の自己犠牲とは、心の中からあらゆる悪いものを取り払い、そこを良いものだけで満たそうとする作業です。とアレンは語っています。
暴飲暴食で健康を害しているならば、もっと食べたいという欲を抑える必要がある。
異常な食欲を満たしたいと願ういっぽうで、健康も手に入れたいとも願い、「自分の欲望は何ひとつ犠牲にしようとしない」人がいるという例えで、真の自己犠牲とは何かを分かりやすく説明してくれています。
自己犠牲というと難しく感じられますが、「欲望をコントロールし、心の中によいものだけを持ち続ける努力が必要である」と考えればよいと思います。
正義と公平さの上に成り立つ世界
人間は、自分自身を正すことによって、はじめて宇宙の正義と公平さを知ることができます。
全ての人に公平に働きかけている法則の中で生きていると信じられなければ、自己責任という考えは成り立たなくなります。
努力に応じた結果が得られるというのも、自己責任の現れに他なりません。
感謝の元にあるのも、こうした公平な法則が元になります。
努力に応じた結果が得られるという世界にいられることが、感謝の元にあるのです。「努力する人にしか本当の感謝というものは分からない」と言われると、なんとなく理解できるのではないでしょうか。
成功法則では、成功したければ、「他の人の成功を妬むことなく祝福せよ」とよく言われますが、全ての人に公平に働きかけてくれている法則があるから、他の人の結果に対してもケチをつけることなく認めることが出来るのではないでしょうか。
目標をもつ大切さ
私たちは、人生の目標をもたないとき、つまらないことで思い悩んで、よけいな苦悩を背負ってみたり、ちょっとした失敗ですぐに絶望してしまう傾向にあります。
アレンは目標をもたないでいる人たちのことを、「人生の海原を漂流している人たち」と表現しています。
しかし、大きな目標を発見できないでいる人は、目の前にある自分がやるべきことを完璧にやり遂げることで、目標が見えてくるようになるとも言っています。
目標がなければ、成功とは何かも分からないのではないでしょうか。
逆に考えると、失敗したくなければ、目標を持たなければよいという考えも、理屈としては成り立ちます。
成功を目指すには失敗の恐れも付きまといます。
失敗を恐れるあまり目標を掲げない人もいるでしょう。
アレンの言葉を借りれば、海原を漂流しているだけなのですが、当人にとっては、流れに身を任せ楽しんでいると言うのかもしれません。
原因と結果の法則を心から信頼できれば、失敗は成功にいたる通過点だと信じることができるでしょう。
それは、失敗を恐れたり、成功を疑うことを克服する力となってくれるのです。
成功に必要な犠牲とは
人間は、もし成功をめざすのならば、自分の欲望の(すべては無理でも)かなりの部分を犠牲にしなくてはならないのです。
アレンは成功を手にできないでいる人たちは、欲望をまったく犠牲にしない人たちともいっています。
欲望をまったく犠牲にできない人たちとは、自分の心を正しくコントロールできない人です。
心を正しくコントロールするとは、欲望に振り回されないことであると言ってよいでしょう。
欲望を犠牲にするのは、自分の理想とする目標にどれだけ集中できるかに関わってくるからです。
さらに アレンは、成功を手にしたあとにも注意が必要であると説いています。
目標を達成したとたんに手を抜いてしまうと、すぐに転落してしまう人が多くいるということで、原因と結果の法則は少なくとも、結果を手に入れても、成功を維持できるだけの努力を求めていることを示しているのです。
ビジョンが未来を創る
理想家たちは、この世界の救い主たちです。
理想家たちは次の世界の創り手であり、天国の建築家たちです。
このような発想は自分の人生だけでなく世界の成り立ちを深く見つめてこなければ気づけないことでしょう。
私たちが理想を描けるのは先人たちが理想を描き、それを実現させてきた歴史があるからです。
理想が何かが分からない世界にいたとしたらどうでしょう。
例えば、物心つく前から無人島に住んでいて、文明にまったく触れていないとしたらどうでしょうか。
そこで描ける理想というものはとても限られたものになるはずです。
この世の中には醜いところもあるでしょうが、美しい世界も多くあります。
先人たちが美しい理想を描き、実現してきてくれたおかげで、私たちはその理想の上にさらなる理想を積み上げていくことができるのです。
そして理想が素晴らしいものであるからこそ、努力のしがいもあるのではないでしょうか。
また、その理想が多くの人と共有できるものであれば、自然に協力者も現れてくるようになり、理想実現も早まり大きなものになっていくのです。
穏やかな心の価値を知る
穏やかな心は、真実の海のなか・・・
水面から遠く離れた、
いかなる嵐の影響もおよばない
永遠の静寂のなか・・・に住んでいます。
アレンは冒頭で、この小冊子は、私の瞑想と体験のなかから生まれたものです。と語っています。
それが如実に現れて、このような詩的な表現になっているのでしょう。
おそらく、アレンは日々の体験を踏まえて瞑想するなかで、多くのインスピレーションを得ていたものと思われます。
穏やかな心を思い描くと、瞑想による、その時の至福の感覚がよみがえり、それが詩的な表現になって表れてきたのではないかと思われます。
アレンは別なところで、「人間の美しいビジョンのなかでは、それを実現させようとして、天使たちがせわしなく活動しています。」という言葉を述べています。
瞑想とは、天使たちとつながることです。
天使たちという言葉で分からなければ、良き思いの世界とつながるという表現ではどうでしょう。
逆に悪い世界とつながり、悪しき世界を引き寄せてしまうならば、それは本来の瞑想の意味がなくなってしまうのではないでしょうか。
望む結果が得られれば、心も穏やかになれると思っている方も多いかもしれません。しかし順序が逆なのです。
結果によって得られた心の状態というのは、自分の感情をコントロールして得られたものではないので、環境が変われば、すぐに崩れ去ってしまいます。
原因と結果の法則は心の平和から始める必要があるのです。
「心の平和」とも呼ばれる、そのこの上なく貴重な人格的要素を身につけることは、私たち一人ひとりの究極的な目標であると、アレンは述べています。
「心の平和」それ自体が何ものにも代え難い大きな価値をもっているのは、瞑想を通して幸福感を味わってみなければ、分からないのかも知れません。
「原因と結果の法則」を読んだ感想と要約ポイント
この「原因と結果の法則」という本は、多くの成功哲学、成功法則の元になった考え方であり、ここから成功法則のハウツーものも多く出されるようになってきています。
現代では、多くの人たちが結果を得ることに関心が行き過ぎているため、この本を、単なるハウツーものとして求めている方もおられることでしょう。
このように言う私も、自己実現のために結果を求めて初めて読んだ時には、ハウツー的には、かなりの部分を自分には必要のないところであると判断し、深く考えることもなく読んでいたように思います。
アレンは、この本の内容を通じて行っているのは、説明というよりも提案であり、その目的は、できるだけ多くの人たちが、みずからの手で、「自分こそが自分の人生の創り手である」という真実に気づくのを、うながすことにあります。と語っています。
ですから、この本はハウツー的に結果を求めて幸せになるために書かれているわけではなく、私たちが存在している世界の秘密に気づいて欲しいという思いが込められていると感じられました。
よって、この記事の要約ポイントも結果を引き寄せるためではなく、アレンの思想を理解しようとする試みになっているかもしれません。
しかし、結局のところは、この試みが真の結果を手にする最短な方法になるのであろうと信じています。
「 原因と結果の法則」の名言・要約 まとめ
「原因と結果の法則」から名言を取り出してまとめてみました。
読み進めていくと、名言ばかりであり、各ページのほとんどに赤線を引いてしまう内容の本でありました。
本書をまだ読まれていない方、以前読まれていた方であっても、この機会に再度読まれることをお勧めいたします。
また、この記事から何か学びとるものがあったならば幸いです。