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鏡の法則とは何か あらすじの紹介とその心理学的効果を解説

読んだ人の9割が涙した!という「鏡の法則」(野口 嘉則 著)

2006年に出版され、100万部を超えるベストセラーになり、さらに、2017年に内容を加筆修正しパワーアップさせ、「完全版 鏡の法則」として出版されています。

もともとは作者の野口嘉則さんが実話をもとにしたストーリーをブログで紹介したところから始まっているようです。

法則というものは様々な現れ方をするので、せっかくの法則も正しく理解しなければ、活かすことができません。

この本を単に多くの人が涙を流した本というだけでなく、鏡の法則を実生活に活かせるように、誤解しやすいところ、大切な前提となるところを解説してまいります。

鏡の法則のあらすじ

鏡の法則のあらすじは、小学校5年生の子供がいじめを受けていることを知った41歳の主婦が、子供の力になろうと努めても、反発され心を開いてくれないことに悩んでいるところから始まります。

母親としては子供のことが心配でならないが、夫からみると心配している妻の姿のほうが心配でならなく、カウンセラーでもある自分の先輩に直接電話して相談してみることを勧めてみました。

母親は自分ではどうしたらよいかわからなく、夫の先輩に相談してみると、大事な子供が人から責められているのは、「あなたが、誰か感謝すべき人に感謝せずに、その人を責めているのが原因ではないか」と言われてしまった。

初めは子供の問題が自分となぜ関係があるのかと思えたが、この問題を解決したいので、話を聴くことにした。

現実に起きる出来事は、1つの「結果」であり、「結果」には必ず「原因」があり、その原因は、あなたの心の中にある。

つまり、あなたの人生の現実は、あなたの心を映し出した鏡であるという。

子供がいじめられていることが、最大の問題だと思っていたが、実は、長年自分が父親を責め続けて許していなかったところに原因があるこということであった。

そして、自分の心の中にある思いを変えることで、問題が解決していくという原因と結果の法則を学ぶという内容です。

鏡の法則とは何か

「自分の人生の現実は、自分の心を映し出す鏡である」

そしてこの鏡の法則といわれているものは、
「良い思いは良い実を結び、悪い思いは悪い実を結ぶ」という原因と結果の法則の機能によって現れたものです。

ジェームズ・アレンによって出された原因と結果の法則(邦訳)という本は、今では成功法則の源流とされていますが、鏡の法則という考え方は、ここから出てきていると思われます。

原因と結果の法則は、原因である心の中の思いを良いものに変えていけば、現実も良いものに変えることが出来るというものですが、思いという見えないものの正体を映し出し教えてくれているものが「鏡の法則」といわれるものになります。

鏡の法則と必然の法則

鏡の法則の元にある原因と結果の法則ですが、これはひとつの方向性をもっています。

それが、必然の法則というものです。

人生で起こる問題は何か大切なことに気づかせてくれるために起こっている。

偶然に起こるものではなく、今の自分にとって大切な何かに気づかせてくれるために起こっているものであるということを必然の法則といっています。

そして、それを解決すれば、私たちは成長できるというものです。

成長していくという方向性が決まっているならば、時間はかかるとしても、問題に取り組めば必ず解決できるということになります。

必然の法則があり、必ず解決出来ると信じれば、勇気も湧いてくるのではないでしょうか。

鏡の法則と必然の法則の2つを静かに深く見つめていくなかに、解決策のヒントがあるのです。

その解決方法は、鏡の法則の本のなかでは、ゆるすための8つのステップとして具体的に紹介されています。

鏡の法則で人間関係を変える

鏡の法則の中に出てくる人間関係を変える方法として、ゆるすための8つのステップが挙げられています。

  1. ゆるせない人をリストアップする。
    (現在進行形で傷つけられている場合は、その前に相手と距離をとるなり、適切な境界線を引く必要があります。)
  2. 感情を吐き出す。
  3. 行動の動機を探る
  4. 感謝できることを書き出す。
  5. 感謝の言葉を復唱する。
  6. 謝りたいことを書き出す。
  7. 学んだことを書き出す。
  8. 宣言する。

となっていています。

詳しくは書籍をお読みいただければと思いますが、人生の悩みの大半は人間関係の悩みであると言われています。

そして、人間関係の悩みは、相手を理解できない、または、理解しようとしないところから出てくることがほとんどです。

理解できなくとも、気にならなければ問題ないのですが、相手との関係が深ければ、理解できないことが不満や怒り、ゆるせない思いになり問題になってしまいます。

相手を理解することが、ゆるすためには必要であり、ゆるすことで、相手との関係も良くなります。

そして、それが自分自身にとっても新たな価値観を得るという学びになり、成長につながっていくのです。

鏡の法則とゆるしの効果

ゆるすことが何故大切なのか、普段あらためて考えることもないのではないでしょうか。

これは、「ゆるせない」という状態がどのようなものであるかを考えれば、よくわかります。

「ゆるせない」という思いは裁き、破壊したいというエネルギーです。

このエネルギーはゆるせない相手に対してだけでなく、それを持っている自分自身にも大きな影響を与えてしまいます。

ゆるせない相手とは、自分の中にある、ゆるせないと思って否定している自分の姿です。

自分自身を否定し裁いているので、穏やかな心の妨げになります。

心の中の思いが現実として現れるならば、穏やかな心でいたいと思いませんか。

ゆるすのは、相手の行為をよしとしたり、我慢することではなく、自分の心の中のとらわれを手放すことです。

とらわれを手放すとは、自分が持ち続けてきた自分自身を裁いていた思い込みを手放すことです。

それは同時に相手を理解するということにつながります。

理解するとは、言葉を変えれば、愛することと同義語であるといってもよく、ゆるすことによって私たちの心は、その分自由を手に入れられるのです。

(詳しくは「 許すことは過去を手放し愛を深めるためにある」の記事で解説しています。)

感謝の意味

ゆるすための8つのステップの中に感謝が出てきます。

これは、ゆるすことが出来ているかどうかの確認として感謝が一番分かりやすいところがあるからでしょう。

しかし、感謝とはゆるすためだけでなく、幸せな人生を実現していくための最強な方法でもあります。

感謝できるところに、不満はありません。

感謝できるところには、喜びが溢れています。

心の中が恨みでいっぱいになっているか、感謝の思いでいっぱいになっているかを考えてみれば、それがどのような結果として現れるかも想像できるのではないでしょうか。

感謝は道徳的にするものではなく、人生を幸せにするために必要なものなのです。

鏡の法則はおかしい

鏡の法則は、鏡を見れば自分の姿を知ることができるように、人生に起きていることを見れば、自分の心の中を知ることができるというものです。

これは、確かではありますが、前提となる大きな問題があります。

それは、法則は法則として、私たちが変えたり、誤魔化すことなど出来ないものであるというところです。

結果を得たいがために表面的な行いを変えることで、思いまで変えたつもりになってしまうこともあります。

それはまるで、鏡に写った自分の姿がみすぼらしく見えるから、見た目の良い衣装を身につければ、心まで立派になっていると錯覚しているようなものです。

もちろん見た目も他の人を不愉快にさせない配慮は必要ですが、鏡を見るだけでは分からないところもあります。

今は心から感謝できていなくても、本心から感謝したいと思っているのか、または、ポーズだけでよいと思っているのかでは、中身は全く違うのは明らかです。

鏡の法則の前提には原因と結果の法則があり、まずは原因をしっかりと正していくしかありません。

心理学のテクニックを使うにしても、心から正したいと思っているのかどうなのか、あくまでも、原因をしっかり正した結果としての果実なのです。

本で紹介されている内容があまりにもストレートで上手くいきすぎていて、嘘くさくておかしいと思われる方もおられるでしょう。

しかし、法則は間違わないから、自分としては、ゆるしているつもりでも、相手が変わらないのは、「心から許していないからだ」などと言っているわけではありません。

実際に試してみたけれども、上手くいかない問題もあるかもしれませんが、その問題を通して何か大きな学びを得ているのは間違いありません。

鏡の法則を活かすための考え方

鏡の法則を活かすための大切な考え方として、自己責任というものがあります。

自己責任とは、成長していくためには、人のせいにするのではなく、自分の問題としてとらえていくという考えが大切だということです。

自己責任の考え方としては、「上手くいかないのは全て自分が悪いからだ」とは、とらえないようにする必要があります。

今の自分では分からない心の中の問題を、「法則的にはこうなる」と言われても、認めることが出来ない場合には、押し付けのように感じられ、それが強引な決めつけをする宗教のように感じられてしまうこともあるかもしれません。

しかし、正しいというか、健全な自己責任の考え方を持っていれば、鏡の法則は自分の成長にとって、とても役立つものとなるでしょう。

鏡の法則を正しく活かすための3つのポイント

鏡の法則は鏡に映った姿を注意深く理解しなければ、法則を活かすことは出来ません。

鏡の法則を正しく活かすための注意点を3点あげておきます。

結果がすべてではない

結果がすべてではないというのは、決して結果を気にすることなどないとか、結果に価値がないと言っているわけではありません。

原因と結果の法則は、あなたの成長にとって、今の段階で最適なものを与えてくれています。

これを信じられなければ、原因と結果の法則が成り立たないので、話の進めようがないのですが、このように考えることで困ることはないと私は思ってます。

あなたの求めている結果と違っていたとしても、常に原因である心の中の思いを良くしていこうとする考え方はとてもポジティブなものです。

結果というものは、成長していくなかでは、あくまでも途中経過でしかありません。

それを忘れなければ、さらに良い結果が得られることになるでしょう。

心の奥にある思いに気づく

「鏡の法則」は自分の心と向き合うことがなければ理解できません。

「すべての原因は自分の心の中にある」といっても、

自分の心の中にあるものが分かっていなければ、原因と結果の法則も鏡の法則も成り立ちません。

例えば、劣等感が強くて、人から害されるのを恐れて人に優しくしているだけであっても、劣等感を持つ原因が解決されると、威張りだしてしまう人もいます。

人に優しくしているうちに、優しくすることの喜びを心から感じられればよいのですが、そうでなく、プライドが高くて劣等感を認めたくない人であれば、自分が恐れから人に優しくしているなんて認めたくないでしょう。

認めたくない自分の姿というものは、他の人の姿をみても認めたくない姿であり、自分の姿が映し出されているなどとは気づかなかったり、認められないということになってしまいがちです。

この場合では、プライドの奥にある、恐れからの行動であることに気づかなければ鏡の法則は成り立たなくなります。

「鏡の法則とは」というと、鏡のように投影された世界というような言葉で説明されることもありますが、本人にとっては、単純に分かるように見えるわけではありません。

思いにも、表面的な考えから、長く持ち続けた考えが深く心の奥にしまい込まれている場合もあり様々です。

鏡の法則を活かすには、静かな時間の中で、素直に自分の心と向き合う必要があります。

「善悪」では判断できない問題もある

鏡の法則を活かすところで、自己責任について少し説明しましたが、問題を考える時に、「この問題はあなたに原因があり、あなたに悪いところがあって起こっているのだから、そこを改めなさい。」という解釈をしてしまうと、自分を責め、罪悪感を抱える原因にもなっていまいます。

もちろん、そのまま改める必要がある問題もありますが、すべての問題が善悪に関わっているわけではありません。

成長には、

  • 間違いを修正して成長する。
  • 新たな学びを得て成長する。

という2つの方法があります。

小学生が中学生の問題を解けなくても悪ではありません。

人それぞれ、学びの段階が違います。
明らかな悪は悪として正す姿勢は必要ですが、自分を責める傾向がある人は、ここのところを注意する必要があります。

また、問題が一見関係なさそうなところで起きていても、家族など関係の深い人との間での問題であれば、解決しようと思うから気付けるのでしょう。

まとめ

鏡の法則のストーリー紹介と、鏡の法則とはどういうものなのかを解説してまいりました。

鏡の法則を活かすためには、自分の心と向き合う必要があります。

そのための時間をとる必要がありますが、「読んだ人の9割が涙した」といわれるような物語を読むことは、無意識のうちに自分の心と向き合う時間にもなります。

涙を流すことで、認めたくなかった思いが流され、素直な姿が見えるようになってくるのです。

それは、鏡の法則の働きを理解し活かすための大きな力となってくれるでしょう。

参考になれば幸いです。

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