許せない自分を許すために知っておきたい心理とは何か
自分が許せないというのは、自分で自分を裁いている状態であるといえます。
なぜ自分で自分を許せなくて裁いてしまうのでしょう。
そこには意外な盲点があるように思われます。
この記事では、許せない自分を許すために知っておきたい心理と、許す方法をまとめてみました。
目次
許せない自分を許すとどうなる
許せない自分とはどういうものかというと、
- ダメな自分が許せない
- 過去の行いに罪悪感があり許せない
などが代表的なものであり、いずれにしても、自分で自分に裁きを与えているために、自分には幸せになる資格などないと考えてしまうか、自分の人生、罪という重荷を背負っていかなければならないと考えるようになってしまうでしょう。
これらは、
- 幸せになってはいけない人
- 人生を楽しんではいけない人
と言い換えることができるかもしれません。
このような許せない自分を許すとどうなるか
「幸せになっていい!」
「人生楽しんでいい!」
というように「〜してはいけない人生」から「〜してもいい人生」になるわけですから、未来に希望が持てるようになり人生も明るくなります。
許せない自分を許すと、自分を縛っている条件を取り払い自由になれるのでとても楽になれるのです。
許せない自分の心理学
許せない自分を許すとはどういうことなのか?
「許せない自分を許すのは誰なのか?」と考えると、
自分のなかに、
「許せない自分」と「許したい自分」
がいることになります。
許せない自分は許せない理由をこれでもかというくらいあげて許さない理由の正当性を主張します。
それに対して、許したい自分はなんとかなだめようとしたり、上手くいかないと無理やり抑え込んで納得させようとすることが多いかもしれません。
許せないとは、自分のなかにある相反する思いの調整が出来ていない状況にあるといってよいでしょう。
許すとはどういうことなのか
許せないのは、自分のなかに相反する思いがあり、お互いに納得できていない状況にある。
そこで問題になるのは、納得させる方はどちらであるかということであり、これは、どちらが本当の自分なのかということで決まるものになります。
許せない自分と許したい自分
どちらが本当の自分であるかといえば、どちらも本当の自分ではあるのですが、主従関係でみれば、許したい自分が主体的な自分であり、許せない自分は主体的な自分がした「解釈という判断」の反応であるといえるでしょう。
主体的な自分がポジティブな解釈をすればその結果である反応もポジティブなものになります。
逆にネガティブな解釈の場合、人の行為に悪意があると解釈したり、正さなければならないと解釈し、その反応として「許せない」という反応が表れてくるというものです。
主体的な自分の解釈次第なのですが、許したいけれど許せないというのは、自分の中の反対勢力の考えを納得させられない、または、確かにその言い分は最もだと思っているところがあるのでしょう。
許すために必要な理解とは
自分がする解釈と反応は育った環境の影響、特に両親の考えを受け継ぎ積み重ねられていくうちに、いつしか判断する間もなく反応するようになり、反応イコール自分の考えとなってしまっているところがあります。
同じ環境であっても、兄弟によって性格が違うように解釈の仕方はその人の受け取り方次第で変わってきますが、これは何を物語っているかといえば、解釈、受け取り方を変えれば、反応も変わってくるということを表しています。
自分のなかには様々な考えがあるけれども、許せない自分を許せるようになるには、許せないと思う出来事の解釈を変える。または、許してもいいと思える解釈を見つけるしかないのです。
自分を許す気が全くなければ迷うことなどないので、許せない自分をなんとかしたいと思っていること自体が、出来事の解釈を変えたいというサインでもあるのです。
許せない自分を許す考え方
許せない思いは罪悪感と無価値観が代表的なものですが、
許すというのは、罪がなくなったら許せるとか、ダメな自分でなくなれば許せるというものではありません。
この罪悪感がなくなれば許せるという考えが許すことができなくなる原因でもあると考えられるのです。
現実的には、罪悪感がなくなれば自分を許せるように感じられます。
例えば、罪を償い、加害者が許しているとしても、本人がそれでも自分を許せなければ、自分の気が済むまで許すことはできません。
また、自分に甘く、恨まれていても罪悪感を感じない人もいることから、罪悪感を感じなければ許すことができると考えることは筋が通っているように思えます。
そこで、なんとかして罪悪感を消そうとするのでしょうが、人間は生きている以上、気づかぬところで人を傷つけてしまったり、未熟であるがゆえに犯してしまう過ちもあり、私たちは罪をつくりながら生きてるところがあるのです。
私は正しい、間違っていないから許せるというものではありません。
皆、過ちを犯してしまう存在なのだという前提があり、許すというのは罪を背負って生きていくという覚悟が必要になり、罪を受け入れて、ではどういう生き方をすれば罪悪感を持ち続けずに生きられるのかという問題になるのです。
過去の自分を許す3つの方法
過去の罪悪感を持った自分を許す方法は、「許したい自分」が「許せない自分」の存在を受け入れるところから始まります。
具体的な方法としては、
- 正直に生きる
- 人のお役に立つ人生を送る
- 「自分を許します」と唱える
という3つの方法があります。
正直に生きる
正直に生きるというと、小学生の道徳のように感じられるかもしれませんが、今現在、正直に生きていると言える自信はあるでしょうか?
なぜ、正直に生きることが自分を許すことに繋がるかといえば、自分を誤魔化し、それを正当化しているような自分であれば、許せなくなるのも仕方ないところがあるからです。
例えば、自分のミスを人のせいにするのも自分を誤魔化した生き方であり、繰り返していけば、そんな自分を許せなくなるのも当然の結果といえます。
正直に生きるというのは、誤魔化している自分を正当化しないで生きていくということ。
正当化しないのは、問題をより良いものに変えていこうと思っている表れでもあります。
だから、罪悪感があってもそれで自分を裁くこともなく前を向いて歩んでいけるのです。
正直に生き切る自信はないとしても、出来る限り正直に生きていこうと努力していく必要はあるでしょう。
自分に嘘をついて恰好をつけたところで、ひと時は誤魔化せても、やがて嘘をついている自分が嫌になってくるはずです。
正直に生きているから、ありのままの自分を受け入れることができ、罪悪感を持たずにいられ、過去の自分も許せるようになるのです。
人のお役に立つ人生を送る
正直に生きるとは、良心に恥じない生き方をすることですが、なかには自分の欲に対して正直に生きることを良しとされている方もいるかもしれません。
罪悪感を持たずに正直に生きるための指針となるものが、人のお役に立つ人生を送ることなのです。
自分の人生を自分のためだけに使うのではなく、他の人のお役に立つ人生にする。
人のために生きるのは、自己犠牲になるところもありますが、人は誰かのお役に立っていると感じられることで、自分の存在意義を感じられ、それが喜びになっているところがあるのです。
人は生きているかぎり、罪を犯してしまうものですが、それ以上に人のお役に立っているという自覚があれば、罪悪感を持たずに生きていけるようになるのです。
人のお役に立てるほどの自分ではないと思われている人もいるかもしれませんが、仕事に真面目に取り組むことが社会のお役に立つことに繋がっていきます。
また、学生であれば社会に育てられているわけですが、将来役立つための基礎をつくっていると思えばよいのではないでしょうか。
このように、人のお役に立つ人生を送ることで、自己肯定感も高まり、罪悪感からさよならできるようになるのです。
「自分を許します」と唱える
「自分を許します」というのは、許せない自分を許すときの言葉だけではありません。
正直に生き、他の人のお役に立つ人生を送っていると、「自分を許します」という言葉の意味が変わってくるのです。
許せない自分を許そうと思って使うときには、マイナスからの脱却の言葉であったものが、より積極的な言葉に変わってくるようになります。
それは、「〜してはいけない」から「〜してもいい」というように自分に許可を与える言葉として捉えられるようになってくるのです。
「自分を許します」という言葉が「望むことをしてもいいんだ」という思いを強めてくれるようになってきます。
もちろん、許せない自分を許せるようになりたいときにも有効な言葉ではありますが、許せない出来事に対する解釈が変われば、同じ言葉であっても進化していくものなのです。
まとめ
- 許せない自分を許すとどうなる
- 許せない自分を許す心理学
- 過去の自分を許す3つの方法
等の話をしてきました。
罪は無くすことはできないと受け入れ
- 正直に生きる
- 人のお役に立つ人生を送る
- 「自分を許します」と唱える
という3つの方法を実践していけば、罪悪感に囚われず積極的な人生を歩んでいけるでしょう。
参考になれば幸いです。
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