他人に期待しない方がうまくいくのはなぜか?
私たちの日常生活、特に仕事においては、常に結果を求められている以上、そこには期待というものがなされているのは当然です。
しかし、そんな中でも期待しない方がうまくいくと感じられている人も多く、また、期待しない方がうまくいくとよく言われているのも確かであり、そう感じている人も多いのではないでしょうか。
「期待に胸を膨らませる」という言葉を聞くと、何故かワクワクしてきますが、それでも期待しない方がいいのだろうか?
この記事では、
- 期待しない方がうまくいく理由やメリット
- 何を期待して何を期待しない方がいいのか
- 期待しないで生きる方法
等をまとめてみました。
きっと、期待しないほうがいいと言われる意味が理解できるでしょう。
目次
期待しない方がうまくいく
人間関係のトラブルの多くは、相手が自分の望むような行動をしてくれないところから生じています。
その中には、理不尽だと思える行動もあるでしょうが、それで相手を責めたところで、他人である以上、自分の思うようにはならないのは仕方ありません。
しかし、身近な関係であるほどに甘えもあり、相手に様々な期待をしてしまうのも無理はないところがあります。
「言わなくても分かるはずだ」「手伝ってくれてもいいじゃない」などと思っても、相手の立場になれば、そんな態度で行動されるほどに手伝う気も失せてしまうものであり、逆に期待していないときほど手伝ってもらえるものです。
期待どおりにならなかったとしても、相手のせいにすることなく受け入れることができれば問題はありませんが、期待通りにならなかったことを相手のせいにしてトラブルになるくらいなら、初めから期待などしないほうが人間関係が上手くいくのは間違いありません。
人に期待しないことのメリット
期待することが他の人をあてにすることであるなら、期待しなければ思い通りにならなくても、がっかりすることはなくなり、結果によって一喜一憂することもなく、心の状態が安定するようになります。
また、自分の問題と人の問題を分けて考えられるようになり、自主性も育まれるようになるでしょう。
期待された方も、プレッシャーという重荷を背負うことなく、伸び伸びと行動できることで良い成果を出しやすくなるところがあります。
このような点がメリットとしてあげられますが、これらは、私たちが結果を求められる生活を長く続けてきて、期待に答えることに疲れてしまっているから余計に感じるものなのかもしれません。
人に期待しない方がいいのか?
期待しない方がうまくいくのは、期待が重荷になっているからでしょうが、では、期待しなければいいかというとそうでもありません。
期待しないことのデメリットとしては、
- 人に期待することがなければ、相手に対する関心が薄れてくる。
- 他の人との繋がりが薄れ、孤独になり、コミュニケーション能力が衰え、人との絆が深まりにくくなる。
- 期待されない立場からすると自分の存在価値を見いだす機会がなくなり、やる気が起きないところがある。
などがあります。
期待は、されすぎると重荷になりますが、全く期待されないのも寂しいものです。
「あなたには何も期待していません」と言われるのは、プレッシャーはないかもしれませんが、「あなたには何の関心もありません」と言われているように感じてしまいます。
多少のプレッシャーはあっても、「期待しているよ」と言われると頼られているようで嬉しくもあり、頑張ろうと思えるものです。
実際は、期待に答えられなくてがっかりされるならば、期待などしてほしくはないけれども、期待に答えられなくても、頑張ったところを認めてもらえるならば、期待してもらえることは嬉しいものになるのではないでしょうか。
ですから、自分が期待されて困るような期待はしないようにすることが大切になります。
何を期待し何を期待しない方がうまくいくのか
期待はし過ぎれば重荷になり、されなければ寂しいものであるので、その兼ね合いの問題でもありますが、もう一つ大切なところがあります。
それは、期待するとは、
- 「望む結果を得ることを期待しているもの」と、もうひとつ、
- 「人の幸せを願うという期待」がある
というところです。
それは人を応援するということでもあるでしょう。
期待することを何かをしてもらうことと捉えていれば、期待通りにならなければ、がっかりしてしまうのも仕方ありません。
しかし、人を応援するという形でなされている期待には結果が望み通りでなく残念に思うことはあっても、がっかりすることはありません。
それは、何かをしてもらおうという思いがないからです。
応援することですでに夢をもらっているので、それ以上のものを求める気持ちが出てこないのでしょう。
結果を望む期待が貰うものであるのに対して、人の幸せを応援し願うという期待は与えるものになります。
信頼関係があれば、何かお願いされたとしても、お役に立ちたいという思いを満たすことができるので問題はないでしょうが、それは、普段からその人を応援し、幸せを願うという期待をしているからこその信頼関係であるのではないでしょうか。
ですから、貰うだけの期待ばかりするのではなく、与える期待をしていくことが大切になります。
人に期待せずに生きるには
人に期待し過ぎるのは、何かをしてもらって当たり前と思ってしまう傾向があるはずです。
それは立場が強いという場合もありますが、逆に依存している場合もあり、どちらであっても、自分の立場を正当化していれば、何かをしてもらって当たり前という考えになってしまいます。
支配する立場の人は、人をコントロールしようとするところから期待が生じ、依存する立場の人は与えてもらおうとするところから期待する気持ちが出てきます。
期待し過ぎる原因が支配と依存にあるならば、この2つに不足しているものを取り入れることで、期待せずに生きられるようになってくるはずです。
それは何かというと、感謝と尊重する気持ちであり、この2つによって信頼関係も成り立っています。
支配と依存のないところに信頼関係もあり、お互いの成長を喜べるところには一方的に期待する気持ちなど出てきません。
まずは感謝することから始めるのがよいでしょう。
ありがたいと思えることが増えてくれば、お返しをしたくなり、与えてもらおうという思いも出てこなくなり、いつしか期待しないでもいられるようになっているはずです。
見返りを期待しなければうまくいく
私たちはひとりで生きているわけではなく、多くの人と関わり合い、助け合って生きている存在です。
お互い支え合い、助け合って生きているから、お互いに相手が幸せになることを期待しあうことで夢や希望を描くこともできるようになります。
期待のない世界には夢も希望もなく、あるのは単なる目標だけなのかもしれません。
明るい未来を期待するのは悪いことではありませんが、見返りを期待するところから執着が生まれてくるのも確かです。
期待どおりにならなくても、相手を責める気持ちが起きないのは、相手を尊重していて見返りなど期待していないからでしょう。
しかし、見返りを期待しだすところから、いつしか相手を尊重する気持ちも薄れていってしまいます。
幸せになるのを期待しても見返りは期待しないほうがいい。
それは見返りは求めるものではないからです。
見返りが求めて得るものであるならば、そこに力関係が入る余地があり、与える行為の純粋さが失われてしまうと心の奥では感じているのではないでしょうか。
だからこそ、見返りを求めていない思いに対しては素直に受け入れることができ、人間関係もうまくいくのでしょう。
まとめ
- 期待しない方がうまくいく理由やメリット
- 何を期待して何を期待しない方がいいのか
- 期待しないで生きる方法
等をまとめてみました。
期待しない方がうまくいくと言われても、期待するところには夢や希望があり、明るい未来を期待するところからは、やる気という力も湧いてきます。
明るい未来を期待して生きていること自体がとても幸せなことであるのです。
それは、見返りを求めて行動している心がどういうものであるかを考えてみれば分かるのではないでしょうか。
何を期待し、何を期待しないほうがいいのか。
これが分かれば、もっと人生を積極的に生きていけるようになれるでしょう。
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